No.17 (2006.5.17)

「頭は神聖なところ!」














【お知らせ】



Rindu House 体験Batik・・・多色ハンカチ作り更新しました。
http://www.rindu-house.com/batik-taiken.htm
Rindu House 体験Dance・・・1日体験レッスン更新しました。
http://www.rindu-house.com/dance-taiken.htm
お時間がありましたら、また見て下さい。



只今バリは、クニンガンのお祭り真っ只中!
前回のクニンガンから早210日が過ぎました。
そしてHOUSEの横のお寺には、またバリ中の人達がお祈りをする為に
集まって来ています。
バリ人にとって宗教は、自分たちの心の支えなのです。
そんなバリ島で暮らす私のような外国人は、その神聖さや人々の敬虔な様を
間近に見せられて、ただただ驚嘆するばかりです。
ですが、日々を過ごす上で理解しにくい事も多々あるのです。

ある日の午後、家を新しく建てる前にする日本で言えば地鎮祭のような
お祭りがあり関係者など皆、正装をして儀式に参列しました。
その後、皆で食事も済ませ暑い中でのお祭りが2・3時間続いたのです。
儀式が終わる頃には、みんなもう〜ヘトヘト状態!
ジャイアンも終わればすぐ、身に着けていた布も脱ぎ捨ててリラックス。
さすがの私も同じように脱ぐ事は出来ないので、さっさと帰る準備。
彼の脱いだ布もついでに持って帰ろうと、綺麗に折りたたみ鞄に入れた。
と、その時・・・・・・
横に居た村の長老が、怪訝な顔で私の顔をじっと見つめるのです。
何だか冷たい視線を感じた私は、恐る恐る長老の方を見る・・・・・や否や
「バリ人にとっては、布は神聖なもの。それを普通の荷物と一緒に入れるな!」
と、概ねこのような事をバリ語で捲くし立てられたのです。*0*
こっっわ〜〜〜!!  慌てて鞄から布を出したのです。
でも、如何して良いか分からず所在なげに布を手に持つわたし。。。。
たまりかねたのか長老が、自分でわざわざ袋を探して持って来てくれました。
「これに入れて持って帰りなさい。」と・・・・えっっ〜〜〜、これ?!
さっきまで焼いた豚の頭が入ってたビニール袋・・・んっん〜〜
いえ、いえ、口答えなど出来ません。。。
その日以来、私はバリ人にとって布は神聖なもの!と学んだのです。

そしてまたある日の夜、雨季の長雨続きで洗濯物が乾かず、枕カバーも乾かず。
バリ人にとっては、頭は神聖なところ!
それは、初めてバリ島を訪れる観光客でも知っている。そして、私も・・・
考えた挙句、あの神聖な布を枕に巻く事にしたのです。これなら、大丈夫!
何事もなく1夜が過ぎ、そして2夜目の番に事件は起こりました。。。。*0*
ジャイアンが疲れてベットに横になるや否や、急に叫び出したのです。
「どうして、布を枕カバーにしているの?布は足に巻くものだから駄目!」
「えっえっ??神聖じゃ〜なかったの?じゃ〜昨日は・・・」
「昨日から?だから昨日、悪い夢を見たのか・・・」と、キッと睨まれた。。。
また慌てて枕から布を剥ぎ取るわたし。。。そして所在なげに枕を持つわたし。。。
素早くタオルを取って枕に引くジャイアン。。。「タオルは、良いのか・・・」
ますます迷宮入りです。

またまたある日、ジャイアンが急に一人でアグン山へ瞑想に行くと言い出した。
その日の昼から、ニョマンも大忙しでチャナンを創り、バンタンと言う果物や
お菓子を入れたお供え物をスカシという専用の入れ物に入れて準備していました。
お供え物と言うだけあって、当然そのバンタンも神聖なはず!! ところが・・・・
ジャイアンが出かける間際、頭に巻くウダン(頭布)の白い布を忘れたので、
取りに行ったわたし。。一瞬どこに置くか躊躇したが、その神聖なお供え物の上なら
と思い、それを置いた・・・や否や、ニョマンの強烈な甲高い声で、
「ジャガン!(駄目!)ジャガン!ジャガン!ユキ!」 
何も、3回も言わなくても・・・+0+ しばらく立ち直れませんでした。。。。

それ以来、私は少し真剣にバリ本を読む事となったのです。それに因ると、
バリには、宗教や文化や礼儀作法の上で ulu と teben  と言う位置や方向を
表す概念が根底にあるそうです。
uluは、優れた・神聖な意を表し、tebenは、劣った・穢れたの意を表します。
また、ulu は上流 teben は下流が元の意味で、清浄な水源のある山側uluと、
生活の汚れを含んだ川が流れ込む海側teben と分けて考えられています。
そして人間の体は、duur(頭),raga(体),cokor(足)の3つに分けられ、
そこへ、ulu - teben の概念により、頭は上にあるのでulu(神聖)。
体は真ん中にあるのでmadia(中ぐらい)。足は下にあるのでteben(穢れた)。
と、なるそうです。
特に、バリ人が頭を神聖視するのは、そのulu - teben の概念だけではなく
そこにはSiwa duara(シワ神のためのドア)と呼ばれる部分があるからだそうです。
と、理論は分かるのですが・・・・

人間の持つ様々な荷物より、バリ人の足に巻かれる布の方が神聖。
その布を巻く足より神聖なのが、頭。
そして、その頭に巻く布は、神々に捧げるお供え物より神聖。
じゃ〜足に巻く布とお供え物はどっちが神聖??
と、また考え込んでしまう私です。+0+・・・・・

PS:昨日の夜、部屋の前でマッサージをしていたジャイアン。
  その横を通り部屋に入ろうとした・・・や否や、またまた怒鳴られた。。。。
  「頭の方を通るのではなく、足の方を通りなさい!!」
  「うっっ・・・・でも足の方には荷物が・・・・」
  バリ在住2年目ハウス管理人、未だにバリ・カルチャーが
習得出来ないでいます。。。。。+0+
  








Copyright © 2005 by Rindu House.All Rights reserved.